8道後温泉2050ビジョンDOGO 2050 VISION | 禁無断複製 | 2023 道後誇れるまちづくり推進協議会© [図2-1]道後まちづくりデザインガイドライン[写真2-4] 本館周辺の道路付替事業の前後 (上)実施前/(下)実施後主な経済的成果2-2. 道後まちづくりの歩みと成果(つづき)③回遊性・歩行者環境の向上 ④道後ブランドの刷新・イメージ向上と地域集客力強化• 観光客推計数:2013年(H25)以降7年連続増加。H29• 外湯3館入浴客数:本館工事着手直後も100万人を超• H26年(道後オンセナート2014)〜R元年(工事着手)までの6年間の経済波及効果:約312億円(R2年度 道後温泉活性化事業の取組検証(富士通総研)による)• 広告換算料:道後アート・道後REBORN・みんなの道後〜R元年は600万人超の高水準を達成。える水準を維持温泉活性化プロジェクトの3事業で約84億円地ランキング」5年連続1位(H26〜H30)道後文京地区が国土交通大臣賞を受賞(R2)「地方自治体表彰(総務大臣賞)を受賞(R3)前項で述べた本館周辺の賑わい空間創出、地域景観整備に加え、3つの外湯施設の分散配置、足湯巡り・開運巡りの仕組み完成や2014年に始まる地域ぐるみの<温泉×アート>イベントの実施により、観光環境の面的広がりと回遊性が大幅に向上し、「浴衣歩きの似合うまち」の湯の街情緒が醸成されてきた。また、道後公園湯築城跡や歩き遍路道整備促進、松山市が手掛けた約50億円規模の道後文京地区都市再生整備計画にも連動し、交流型観光地の創造、高次都市機能の向上にむけて、恒久の歴史資源を保存・継承し、新たな視点で発信・展開する観光拠点整備、地域特性を活かした散策できる環境整備に取り組み、街全体の観光資源化に協力している。これらの一連の取り組みによる地域環境の改善やイメージ向上は、個々の事業者や行政の努力とも相まって集客力の向上に繋がり、コロナ禍で40万人台まで半減した宿泊者数も2022年には76.2万人までV字回復。 楽天トラベルの「女性一人旅人気温泉地5年連続日本一」(2014~18)や観光庁を始めとする複数省庁後援の「温泉総選挙2016」で女子旅部門1位に選定され、若者や女性の入込客数も目に見えて増加するなど、時代に合わせた顧客層・ニーズ変化への対応にも成功してきた。個々の事業者レベルでも、2018-2020の宿泊施設建替え(5軒)による「量より質へ」の転換、地域景観と施設単体の収益性のバランスの取れた開発が行われたり、約250mに60の店舗が連なる商店街が実質空き店舗ゼロを達成し商業(店舗)立地としても誘引力を発揮するなど、経済性と観光地としての魅力づくりの好循環から新しい時代の『道後ブランド』刷新が着実に進んでいる。主な社会的評価• 2014(H26)年度グッドデザイン賞にて 「道後オンセナート2014」が受賞• 楽天トラベル「ココロ潤う おんな一人旅に人気の温泉• 第2回コンパクトなまちづくり大賞にて • 「令和2年度ふるさとづくり大賞」にて 道後温泉まちづくりアート事業が 前頁に概要をまとめた一連の取組みの成果は、概ね以下の4項目にまとめることができる。①まちづくり意識の変化設立から約10年間は議論先行の感があったが、2000年代に入ると坊っちゃん列車運行や足湯・道後温泉本館周辺整備、ファサード整備などが次々実現され、それまでの努力が成果として現れてきた。その結果、街の生活文化の高さや魅力こそが地域の市場価値を高め、観光・交流文化産業の発展の母体となることが目に見えて理解され、そこから生じた地域全体の意識の高まりが推進力となってまちづくりに対する住民意識や協力度が格段に向上してきた。②地域環境・景観の改善道後温泉本館周辺道路の付け替えにより地域の核である本館の周りに賑わいのある歩行・滞留空間を生み出したことを皮切りに、「道後温泉歴史漂う景観まちづくり宣言”道後百年の景”」に基づく地域全体の景観を着実に改善。看板自主撤去やまちづくり協定書に基づくファサード整備事業が次々実行に移され、国内でも先導的な事例となった[図2-1, 図2-2]。これらの成果は2010年の松山市景観計画策定にでも重要な役割を果たしたほか、やミシュランガイドブックでの3つ星評価(四国で2箇所)、国連HABITATのアジア都市景観賞受賞(2016)など国内外での高い評価に繋がった。また、歴史漂う景観まちづくりの重要プロジェクトとしてまち協が提案をとりまとめた<第3の外湯>プロジェクトは松山市における道後温泉活性化計画審議会の立ち上げを経て「道後飛鳥乃湯泉」(2017グランドオープン)に結実。聖徳太子や斉明天皇ゆかりの温泉という歴史的なコンセプトを反映し、単なる外湯増設、修景や施設の復元・再現を超えて道後の歴史の厚みを体感できる要素が地域に加わった。このような大規模事業が耳目を集める一方で、まち協では地域の美観維持に資する冠山清掃や鷺谷墓地墓参り清掃などの地道な美化活動にも継続的に取り組み、魅力的で快適な地域景観の維持とそれを通した景観意識の共有・啓発も積極的に行っている。2.松山道後を取り巻く環境変化と観光の現状
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