道後温泉2050ビジョン
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内部環境外部環境道後温泉2050ビジョンDOGO 2050 VISION | 禁無断複製 | 2023 道後誇れるまちづくり推進協議会© 11プラス要因マイナス要因• 快適な滞在に向けて未整備な施設が一定数存在 • 温泉施設以外の認知度が低い • インバウンドの受け入れ態勢が未整備 • コロナ禍のダメージ • 観光地間の競争激化 • 物価の高騰、国内旅行需要減少 • 労働環境整備と担い手の安定確保 2-4. 地方宿泊・観光産業の課題と必要な対応2-5. まとめ:道後温泉のまちづくりを取り巻く状況① 企業的経営に関するガイドライン策定事業者への国の支援② 健全な事業再生の推進③ 宿泊サービスの高付加価値化・生産性向上と担い手確保④ 地域全体での計画的な安全・安心の備えの確保① 多様な関係者の連携による地域の魅力・収益性強化② 施設改修・廃屋撤去等の計画的推進への支援③ 面的DX推進の制度拡充と法整備を含む施策① 中長期的な将来ビジョンの構築と地域全体での共有② 地域の財源・人材の安定的確保のための施策③ DXによる地域経営の効率化・高度化④ DMO活動による地域貢献の客観的把握・評価の仕組み⑤ マネジメント、マーケティング、ファイナンス、 ITリテラシーなどの地域経営スキルを習得する環境の整備強み(Strength)機会(Opportunities)弱み(Weakness)脅威(Threats)企業的経営への転換促進持続可能な観光地経営の確立観光地の面的再生・高付加価値化の推進宿泊業の現状と課題観光地の現状と課題- 旅行の個人化・多様化への対応遅れ-入込客数の減少、収益性の低下- 投資停滞による施設陳腐化・ 都市・建設環境の劣化-財源、人材等のリソース不足- 地域の関係者の連携不足• 人気温泉地の中でも圧倒的な好アクセスを誇る 「都市型温泉郷」 松山空港からリムジンバス直通30分、JR松山駅や松山市内から 電車15分とアクセスに恵まれている• 温泉以外の魅力あるコンテンツ • 外観整備への官民一体となった継続的な取組み 道後温泉誇れるまちづくり推進協議会を中心に 30年以上前から 景観整備に積極的に取組み• 道後周辺エリアとの強い連携体制 • 2024年7月の道後温泉本館のリニューアルオープン 道後温泉本館が2018年からの保存修理工事を完了しリニューアルオープン、多くの来客が見込める• 入国規制緩和や万博開催による外国人観光客の増加 • 温泉×アート融合の取組による新たなイメージ 温泉以外に観光客を楽しませるコンテンツ (アートイベント等)日帰り圏内における体験コンテンツが豊富入国規制緩和や大阪万博開催、円安等により、 道後への 外国人観光客の来客が見込める景観上問題のある建物が残存しており、街歩きや宿泊の快適性や地域景観に未だ課題がある女性グループや外国人観光客が興味を抱くコンテンツ及び情報発 信がまだまだ不足している外国人観光客が宿泊者全体の4%弱と競合エリアよりも低く、インバウン ド誘客に向けた体制の構築が必要新型コロナ禍による企業財務基盤の毀損とゼロゼロ融資の返済開始の負担他観光地も高付加価値化を進めており、温泉地・観光地間競争 の激化が予想される材料費・人件費・光熱水費・工事費等の高騰、 出費抑制・人口減少による国内需要低下・単価低迷労働条件・環境の悪さによる働き手の不足(新型コロナ期の大量離職のダメージも残る)2014年の第一回オンセナート以来の地域アートの取組みが一定の認知度を得て、新たな地域観光資源として評価されている[図2-4]道後温泉のまちづくり・観光振興のSWOT分析(2024年3月時点)最後に、日本の地方圏の宿泊・観光産業がアフター/ウィズコロナ時代に直面している一般的な課題と、それらに対する処方箋として挙げられている基本的な考え方やキーワードを以下に概略的に整理しておく。これは程度の差こそあれ道後温泉にも漏れなく当てはまるものであり、本ビジョンの実現を目指すうえでは避けては通れない課題群と認識すべきである。• 家業的な経営形態• 事業承継や事業譲渡の停滞• 低生産性・担い手不足の深刻化• 自然災害、感染症等の非常時への備え• 観光地全体の活力低下と疲弊• 観光地経営のための基盤不足本章のまとめとして、前節までで概観した道後温泉のまちづくりをめぐるこれまでの取組みの経緯や現状についての分析に観光産業一般に関するいくつかの補足情報を加え、地域としての現状認識をSWOT分析の形で整理した[図2-4]。次章ではこの分析を踏まえ、2050年の道後まちづくりが目指すべき将来像の基本的な考え方を整理する。2.松山道後を取り巻く環境変化と観光の現状

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