道後温泉2050ビジョン
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基本姿勢立脚すべき価値地域固有の資源対策領域(相互に連動)対応の具体的指針社会・産業動向と解決すべき地域課題13道後温泉2050ビジョンDOGO 2050 VISION | 禁無断複製 | 2023 道後誇れるまちづくり推進協議会© • 賃金UPと働きがい創出• 休暇制度の適正化• 安全・安心な労働環境• 多様な働き方やライフ スタイルへの対応 (リモートワーク、2拠点居住等)• 観光まちづくり人材の 育成強化と成長支援• 慢性的な働き手不足• 次世代のまちづくり を担う人材の不足• 事業継続・承継問題○ 働き方改革への要請 3-1. 道後温泉2050ビジョン検討の全体枠組み維持・展開・強化・PR都市型温泉郷(アクセス・利便性)道後温泉本館の唯一無二性• ビジョンの見える化と 共有(「自分たちのまち・ 道後をどうしたいのか」)• 4つのカテゴリ*で売上を伸ばす商品開発(個別施設+地域全体) *新規/リピート/連泊/海外• 歴史性/物語性を 軸にしたブランディング• 安定したDMO活動の ための財政基盤の強化• 時代の変化に合せた ターゲット設定の見直し• 効果的再投資と 投資対効果評価の仕組み• 官/民/地域連携の強化• 成功ノウハウや情報の地域内共有の仕組み化• 道後温泉本館への 依存度の高さ• 運営コスト上昇と ゼロゼロ融資返済の負荷 • 地域経営のPDCAサイクルを回す仕組み不足• 道後まちづくりの財政的基盤の弱さ・不安定さ• 長期的な投資戦略と 投資評価の曖昧さ• 地域資源をマネタイズする仕組みの不足【社会経済動向】 ○ 人口減少、少子高齢化 ○ 物価・エネルギーコストの上昇 ○ SDGsへの関心・要請の高まり ○ 急速なデジタル化の社会浸透【観光・宿泊産業動向】 ○ 家計消費(国内需要)の停滞 ○ インバウンド観光の増加 ○ 旅行ニーズとスタイルの多様化 ○ 国際・国内地域間競争の激化 • 景観整備の完遂 (未整備地区への対応)• デジタル化、DXの推進• 多言語対応• 歴史的温泉施設群の整備• 多様な観光プログラムや アクティビティ商品の開発• 面的広がり、回遊性を生むみちの整備と歩行者環境改善• 有形無形の地域資源の体験価値の「見える化」• 地域内モビリティの向上(歩車分離、自動運転等)• ノーマライゼーション• SDGs、 GX等への積極的・具体的対応の推進• 面的広がりの不足• インバウンド対応の遅れ • 景観整備の一部未完• デジタル化の遅れ• 飛鳥乃湯泉〜 本館リニューアルの「次」が見えていない• 地域資源を見える化・付加価値化する仕組みの弱さ• 古い建物やインフラの劣化・陳腐化○ 自然災害の激甚化○ コロナ禍の深刻なダメージ○ 既存ストックの劣化・陳腐化安全・安心温泉×アート・工芸宿泊施設の多様性空間的広がり湯治文化(健康・癒し)歴史・文化の深み自然環境 資源[図3-1]2050年の道後温泉まちづくりビジョン検討の全体枠組み分析・評価の軸/取組の方向発掘・見える化・価値実現顕在的見える化されている顧客に伝わっている認知度が高いマネタイズされている潜在的見える化されていない顧客に伝わっていない認知度が低いマネタイズされていない向等の背景を踏まえ、道後温泉2050ビジョン検討の全体的な枠組みを右の[図3-1]にまとめた。この枠組みは次章において整理する具体的施策の基礎となる考え方を示すとともに、まち協を中心とするこれからの道後の観光まちづくりの取組みを一貫性・整合性をもって検討・評価していく際の立脚点を与えるものでもある。取組みの進行と成果によって5つの対策領域=着眼点(戦略・財政・人材・ハード・ソフト)は基本的には普遍的なものであり、これらの視点から道後の観光まちづくりが立脚すべき価値である<長い歴史と先人の努力の結晶として道後に蓄積されてきた地域固有の歴史的・文化的・環境的資源>をいかにモノやサービスとして顕在化・付加価値化し、維持・成長させていくかという思考の枠組みが重要である。本ビジョンもこの枠組みに沿って道後まちづくりの現時点(2024)での背景・課題及を整理し「2050年のデジタル温泉都市」への具体的指針を取りまとめた。唯一無二の価値と存在感、都市型温泉郷としてのアクセスの良さや利便性・コンパクト性、宿泊施設の多様性などは、協議会立上げ以来30年に及ぶこれまでの取組みにより比較的顕在化できている地域価値・固有資源である。ただし、これらの要素についても「顧客(インバウンドを含む)に伝わっているか」「付加価値化(マネタイズ)されているか」という視点から見れば顕在化の程度は決して十分とは言えず、引き続きこれらに向けた課題抽出と対策実行に取り組むべきであることには留意しておきたい。また、いったん顕在化された価値も放置すれば時間とともに陳腐化していくものであり、意識的・継続的な維持保全と時代に合せた展開・強化及びPRが必要であることも改めて認識すべきである。ている一方で、「歴史・文化の深み」「湯治・おせったいの文化(健康・癒し)」「観光地としての面的・空間的な広がり」「道後公園や里山の自然環境・風景」といった価値は現時点では抽象的な認識のレベルにとどまっており、観光まちづくりの資源としてはまだまだ潜在的なものである。様々な時代背景を明確に意識しつつ、道後温泉に潜在するこれらの価値を持続可能なかたちで顕在化させていくこと、そしてその流れを支える経営的・財政的・組織(人材)的基盤を改善・強化していくことが、これからの30年を見据えた本ビジョン及びこれからの取組みの主眼である。ここでは、前章で整理した道後まちづくりの現状とこれまでの成果、関連する社会経済動時代によって背景や課題、対応の具体的指針(図の下二段の部分)には常に見直しが必要だが、前章での整理の通り、築130年を迎える「入浴できる重要文化財」である道後温泉本館のこれらの価値が一定程度顕在化されて今日の道後ブランドやコロナ禍からのV字回復を支え人材財政ハード戦略ソフト3.道後温泉2050ビジョンの目指すべき将来像

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