道後温泉2050ビジョン
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道後温泉2050ビジョンDOGO 2050 VISION | 禁無断複製 | 2023 道後誇れるまちづくり推進協議会© 141992年設立当初の課題① 道後温泉本館に過度に依存した 地域イメージと集客のあり方② 日本最古の歴史文化を標榜 しながらも希薄な視認性③ 激化する地域間競争の中での 相対的な温泉力・地域力の低下④ 観光事業者と地域住民との 合意形成⑤ 入湯税の適切な目的税化 (湯量・資金問題への対応) 2024年現在の追加課題3-2. 地域の課題解決の基本的方向性の確認[図3-2]道後温泉誇れるまちづくり推進協議会設立当初の課題設定と本ビジョン策定時点での追加課題② 時代の変化に対応する新たな体験価値創造とデジタル技術の活用激変する旅行ニーズ・スタイルや国際化などの社会経済環境に対応する新たな体験価値を創造し、デジタル技術を活用しながら「最古にして最新」の温泉地に相応しい世界に開かれた観光地づくりを進める。③ 観光・旅行マーケットの変化を見据えた国際化対応国内の人口減少・少子高齢化が加速する一方、世界で100億人のマーケットが出現する近い将来を見据え、国際観光温泉文化都市に相応しいインバウンドの受け入れ環境整備に取り組む。④ 複数日滞在ができる現代湯治のまち、誰もが心地よく過ごせる多様性のあるまちへお遍路や江戸後期の養生湯・馬牛湯といった多様な外湯に象徴されるような「誰もが分けへだてなく心地よくゆったり過ごせるおせったいの湯のまち」を現代にアップデートし、ダイバーシティに配慮した多様性のある観光まちづくりを進める。⑤ 自然共生や環境配慮、体だけでなく心の癒しといった新しいテーマへの取組み都市型温泉郷としてこれまで相対的に希薄だった自然景観や環境配慮、SDGs、メンタル/スピリチュアルな面での癒しといったテーマに注目し、人と自然が和する日本的な価値観に立って積極的にまちづくりに取り込んでいく。⑥ 新型コロナ禍による地域企業財務基盤のダメージ⑦ 原材料費・光熱水費・人件費・各種工事等の上昇 による事業収支の圧迫⑧ 人口減少・少子高齢化と観光産業の雇用・労働環境対応遅れによる担い手の質・量の安定的確保の困難⑨ 国際化・デジタル化の遅れ⑩ 地域景観対策の一部未遂(西玄関口 風俗看板問題等)⑪ 道後温泉本館保存修理工事完了後の「次の手」 認し、それを2050年の<(顧客・社会に向けて)あるべき姿><(地域自身が)なりたい姿>に向けてアップデートするための指針を整理する。これらは前節で整理した枠組みとともに、道後地域の顕在価値(Visible Values)の維持・強化及び潜在価値(Potential/Invisible Values)の見える化・付加価値化を総合的に進めるための重点事項を明確化するとともに、具体的な企画立案・実行の指針を与えるものである。次章(第4章)にとりまとめる本ビジョンの具体的施策の内容も全てこれらの指針に沿って立案・整理している。1992年設立当初のまち協の目標は「日本最古の歴史、豊かな伝統・文化資源を活かしながら、もう一度百年先を見据え、観光と生活環境の調和のとれた、地元の人が誇りを持てる湯の街情緒豊かで魅力ある都市型温泉郷づくりを推進する」というものであった。ここには既に「日本最古の湯を擁するまちの歴史・文化資源」「観光(産業)と地域(生活)の調和(今の言葉に言い換えれば持続可能性)」「魅力ある都市型温泉郷」といった根幹的な価値(Core Values)が明確に言語化されており、これからもこれらを堅持すべきであることについては改めて言うまでもない。ば、上記の目標は概ね理念的・抽象的なレベルにとどまっている点で見直し・補強が必要なものである。また、同時点で最初に取り組むべき具体的課題として認識されていたものの中には、その後のまちづくりの取組みを通じてある程度解決されてきたものと現在においてもさらなる取組み・対策が必要なものが混在しているほか、前章及び前節でまとめたような時代の変化を踏まえて再定義又は追加すべきものもある[図3-2]。るものとして、以下で2050年の道後の<あるべき姿・なりたい姿>を目指したまちづくりの行動指針を次の①~⑤の5つの項目に整理した。① 観光まちづくり資源の顕在化への視点道後温泉が有する多様な歴史的・文化的資源の状況を客観的に評価し、「見える化」「付加価値化(マネタイズ)」することによるまちづくり投資効果の最大化と「地域住民・事業者が誇れるまち」の形成を図る。前節の整理と一部重複するが、ここではまちづくり推進協議会(まち協)の設立当初の目標を確一方で、30年に渡る具体的な取組みやその間の社会経済状況の変化を経た現在から振り返れこのことを踏まえ、まち協の目標をこれまでの経緯と今日の時代背景に合せてアップデートす3.道後温泉2050ビジョンの目指すべき将来像

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