道後温泉2050ビジョンDOGO 2050 VISION | 禁無断複製 | 2023 道後誇れるまちづくり推進協議会© 37① 労働環境の改善・働き方改革・働きがい創出 (1)入職率アップ・離職率抑制のための待遇改善と業務見直し、従業員が気持ち良く働ける環境づくり:• 給与・賞与額の見直しやインセンティブの導入等の評価制度整備による給与水準の引上げ、賃金・報酬の改善• 勤務シフト見直しや適切なマルチタスク制導入による不規則勤務の改善や身体的負担の軽減、 休暇取得支援等• 年間休日日数や長時間労働の見直しによる、頑張り続けるモチベーションが維持できる仕組みづくり• 生産性向上のための業務のIT化・DXによる効率的で生産性の高い労働環境づくり(2)宿泊業に必要なホスピタリティを磨くことがスタッフの評価とやりがいにつながる仕組みづくり• 教育研修や自己研鑽支援の仕組みづくり(社員のスキルアップの為の資格取得支援制度の拡充等)• 地域共通の人材育成マニュアルや研修プログラムの開発と導入 ② 次代を担う若手人材の育成 • 次代を担う人材へと成長するためのリーダーシップやチームワーク、交渉・調整力、実現力を身に着ける機会提供として、地域の若手が行う地域イベントや商品・サービス開発を地域全体で積極的に支援 • 地域や業界に化学反応を起こすための適切かつタイムリーな外部人材の登用 • 過去のやり方や慣例、短期的な利益に縛られない将来への投資や新しい技術の導入(DX)• 子育てしながら働ける環境づくりなど、若手が安心して働き、夢を持って従事することができる業界に変わっていくための構造改革の断行■ プロジェクトの概要4-10. 重点プロジェクト(9)道後温泉の観光まちづくり人材の確保と育成*旅館組合においては、道後の歴史・自然・文化とおもてなしの心を学ぶ地元学講座を開講し、道後温泉で働く意味や意義の共有を行っている。*既に実行されている取組として旅館協同組合による保育所の共同運営がある。① 現 状 新型コロナ感染症の収束を受けて国内外からの旅行客が戻りつつある中、各地の観光② 対策・方針 人口減少・少子高齢化を背景にますます厳しくなる労働力市場において優れた観光地現場では人手不足が深刻化し、需要はあるのに宿泊客を受け入れられない宿泊施設もある。今の機会損失だけでなく、今後主力スタッフとなる若い層が離職し足りなくなることで、いずれ人員の空洞化を招く問題も抱えている。国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によるとホテル・旅館業界の平均給与は全業界平均に比べ183万円も低くなっているが、これはコロナ禍以前からの傾向であり、慢性的・構造的な要因による部分が大きい。また、ホテル・旅館業界の離職率は全職種中第一位となっており、就職後3年以内の離職率は高校卒、大学卒とも全職種中最低である。また、一事業者あたりの平均年間休日日数をみても全産業中最低ランクにあり、厳しい賃金・労働環境が慢性的な人手不足を生んでいる。この背景には「厳しい地域間及び地域内競争環境の中で、ホスピタリティを追求すればするほど業務量が増え、時間外労働など労働時間が長くシフトも不規則になるが、それによる成果を客単価アップや業務効率化、働き手の増加や定着につなげられていない」という、多くの宿泊事業者が長年直面している状況がある。としての持続可能性を維持し、先人から受け継いできた道後温泉を将来の世代へと受け継いでいくためにも、個々の事業者の現場はもちろん、地域全体としてのの観光まちづくりを担っていける能力と熱意のある人材の確保・育成は道後温泉にとっての死活問題である。本ビジョンでは、これからの人材確保・育成に向けた改革の方針を<①労働環境の改善・働き方改革・働きがい創出><②次代を担う若手人材の育成><③休館日「輪番制」による地域ぐるみの働き方改革><④リモートワークや2拠点居住の支援・推進><⑤観光まちづくり人材の育成>の5つの視点から整理し、それぞれについて次のような具体的指針を定める。4.道後温泉2050ビジョンの政策体系と施策内容
元のページ ../index.html#39