道後温泉2050ビジョン
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2道後温泉2050ビジョンDOGO 2050 VISION | 禁無断複製 | 2023 道後誇れるまちづくり推進協議会© 上人坂街店商後道1-1. 「道後温泉2050ビジョン」策定の背景と位置づけ[図1-1]道後温泉VISION2050の対象として想定する地理的範囲及び主なランドマーク道後温泉駅前2017年開業道後温泉別館飛鳥乃湯泉熟田津のみち2024年夏保存修理工事完了道後温泉本館2019年リニューアル空の散歩道圓満寺2020年竣工ひみつジャナイ基地宝厳寺「日本最古の湯」として知られる道後温泉は四国を代表する観光のシンボルである。道後温泉地域では、道後温泉本館(重要文化財)を中心とする地域全体の魅力を高めるための長期的なビジョンをアップデートしつつ、面的整備と回遊性の向上、街路空間・景観の改善、アートを取り込んだ新しい魅力づくり等に官民一体となって取り組んできた。設立30年を迎えた<道後温泉誇れるまちづくり推進協議会>を中心とする様々な取組みの成果は種々の温泉地ランキングでの高評価や国連の「アジア都市景観賞」 (2016)受賞をはじめ、現在に至るまで広く諸方面から継続的に優れた評価を得ている。一方で、道後温泉本館保存修理工事は部分営業しながら6年間(2024年12月末)の予定であったが半年早く本年7月に全館営業再開が決まり、地域としても世界規模で猛威をふるった新型コロナのダメージからも徐々に立ち直りつつある中、人口減少と少子高齢化、観光ニーズの劇的な変化といった外的要因(社会経済環境の変化)や、一部地域景観の改善の遅れや面的な広がりの弱さ、温泉以外の魅力の創出・定着、「おせったい」の現場の担い手の安定確保等の内的要因(地域特有の事情)に起因する多くの課題を抱えているのも現実である。このような状況を踏まえ、本協議会は「道後温泉2050ビジョン策定特別委員会」を設置し、これまでの景観整備と最先端アートのまちづくりを振り返りつつ、今後一層加速する社会経済環境や技術基盤の変化(SDGs, DX等)の中で30年後の道後温泉のあるべき姿・なりたい姿についての調査・検討・討議を重ね、その成果を今後の変化を牽引する具体的指針として本報告書にまとめることとした。「伝統は革新のたゆまぬ積み重ねである」という認識のもと、先人から受け継いだ「日本最古の温泉地」「おもてなしの心と歴史文化に溢れる湯のまち道後」の歴史を次代につなぎつつ、敢えて「温泉だけに依存することなく持続可能な温泉地」という視座に立って来し方行く末を展望する本ビジョンが、国内外の来訪者が多様なありかたで滞在を満喫できる<デジタル温泉都市>への成長と、世界に開かれた日本の温泉文化を体現するまち・道後を目指すたゆまぬ革新を導くこれからの対話の基盤、取組みの指針となることを切に願う。1. ビジョン策定の主旨

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