道後温泉2050ビジョンDOGO 2050 VISION | 禁無断複製 | 2023 道後誇れるまちづくり推進協議会© 39■ 今後の財源確保4-11. 重点プロジェクト(10)持続可能な温泉地づくりのための財源確保と強化①入湯税の引き上げ入湯税は鉱泉浴場が所在する市町村が鉱泉浴場における入湯に対し入湯客に課す目的税たる地方税で、環境衛生施設、鉱泉泉源の保護管理施設及び消防施設その他の消防活動に必要な施設の設備並びに観光の振興(観光施設の整備を含む)に要する費用に充てられる。しかし、目的税でありながら一般財源的に運用されている現実があり、これについてより厳格な運用が求められる(近隣では別府市が導入)。②道後温泉本館の利用料金の再改定(引き上げ)道後温泉本館は5年半にわたる保存修理工事を終え、2024年7月11日から全館通常営業の運びとなる。それに伴い新料金改定が行われるが、道後温泉審議会での答申は現在460円の「神の湯」階下料金を700円に、2階広間での休憩付きを860円から1,300円に、「霊の湯」個室休憩付きただし、入浴可能な公衆浴場として唯一重要文化財に指定されている施設であるという価値を価格に適切に表現する必要性、並びに将来の保存修理工事に備えての基金となる受益者負担の妥当性、そして将来必要時における市の一般財源からの繰入れを回避するという視点から見ると、これらの改訂価格は決して十分でも妥当でもないと考えられるため、他の温浴施設や重要文化財の入館・利用料金と比較して十分妥当な額への値上げを検討すべきである(松山市民についてはマイナンバーカードの提示等で減額措置も準備)。標準税率の1人1日当たり150円を250円へと観光振興の自主財源として超過課税を行う神の湯1階料金の2024年7月11日改定分700円を数年後に1,500円に →60万人想定で純利@500円アップ計算で3億円の増収見込みを1,580円から2,500円にそれぞれ値上げすることとされている。→100万人想定で1億円の増収見込み。これまでで整理してきたような様々な課題への対応と具体的施策推進の必要の絶対量に対し、それらの実現に必要な財務的基盤は決して十分とはいえない。激化する国際的・国内的に激化する地域間競争の中で、これまで道後が培ってきた伝統・資源を活かしつつ持続可能な温泉地として発展していくためには、それを支える財源確保に向けた改革は避けて通ることができない。現状では、まち協のような観光地のDMO(デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーション)の活動費は行政からの補助金や委託料に依存しているが、これにより行政側は重い財政負担を負う一方DMO側も財源の公共性の制約からタイムリーな独自事業展開が進めにくいという状況が生じている。この桎梏を乗り越えるためにも、観光振興のための自主的財源確保は喫緊の課題である。ここでは、道後温泉観光まちづくりの財源確保に関し具体的に検討・協議を進めるべき5つの事項について、それぞれ現状とあるべき検討の方向の概略をまとめた。地域の変革の成果を地域に還流するという視点から地域づくりの経済的基盤を考えることは地域再生・活性化に望ましい正のフィードバックとモチベーションの強化に繋がるという認識に基づき、これらの改革実現に向けた検討と関係者への働きかけを迅速に推進すべきである。4.道後温泉2050ビジョンの政策体系と施策内容
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