道後温泉2050ビジョン
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51 2009年(H21.3)〜ファサード整備協定運営委員会(地元関係者)を立ち上げ整備、地域主導で「まちづくり協定書」に基づく景観まちづくりを先導的に実施。2010年(H22.3)の松山市景観計画策定に大きな役割を果たした。  また、歴史漂う景観まちづくりの視点に即した「道後温泉第3の外湯プロジェクト“飛鳥の湯”」提案を受け、松山市において道後温泉活性化計画審議会を立ち上げ、第3の外湯建設を検討。その結果、「道後温泉別館飛鳥乃湯泉」として、2017年(H29)遂にオープン。「聖徳太子や斉明天皇ゆかりの道後温泉」という歴史的なコンセプトが反映された。 テーマは「名湯と歴史浪漫に浸る」、単なる景観の修景や施設の復元・再現を超え、道後そのものが体感できる本物を活かした、まさに新しい価値が生まれた。 さらには、冠山清掃や鷺谷墓地墓参り清掃など美化活動にも取り組んでいる。  景観形成の核となる複数の外湯施設の分散配置及び足湯巡り・開運巡りの仕組み完成やアートイベン ト実施により、面的展開と回遊性が一層向上。「浴衣の似合うまち」へと湯の街情緒が醸成されてきた。 また、道後公園湯築城跡や歩き遍路道整備促進事業、松山市が手掛けた約50億円(半額国費補助)規模の道後文京地区都市再生整備計画にも連動し、交流型観光地の創造、高次都市機能の向上にむけて、恒久の歴史資源を保存・継承し、新たな視点で発信・展開する観光拠点整備、地域特性を活かした散策できる環境整備に取り組み、街全体の観光資源化に協力している。 2016年(H28)の道後温泉宿泊実績は、過去15年で最高の94.2万人を記録し6年連続で前年対比増。女性客も増加し、楽天トラベル調査では「女性一人旅人気温泉地5年連続日本一」(2014〜18)を達成。また、環境省と観光庁後援の「うるおい日本プロジェクトでの「温泉総選挙2016」で、道後温泉が女子旅部門1位に選ばれるなど、若い人や女性の入込観光客数増加が結果として表れている。 その後、耐震のための建て替え工事で、より高品質化、小規模化により収容能力が大幅に減少したが、量より質への転換、高付加価値化と“道後のブランド力”の向上が着実に図られている。 一方、約250mの間に60軒の店舗が連なる道後ハイカラ通り商店街は、実質空き店舗ゼロの商店街を実現。「松山の中心市街地に店舗を出すより道後温泉へ出したい」という事業者も多く、市内ホテル宿泊客も観光地道後へと足を運んでいる。 これらの結果、日本最古の道後温泉を舞台とした景観整備と最先端アートのまちづくりが評価され、2016年(H28)国連ハビタット主催のアジア都市景観賞を受賞 道後には一部地域景観の未改善や湯量、労働力確保への対応など、まだまだ多くの課題が山積している。 人口減少社会の地域経済と雇用を支えていくには、交流人口の拡大を担う観光文化産業の活性化が鍵だという認識のもと、地域を挙げたホスピタリティマネジメントを強化する。 当協議会は、裾野の広い観光産業の特性を生かし、県内各地、各産業との連携強化のもと、これからも「地域自らが来訪者を創造する新しい観光まちづくり」に挑戦していく。  このため、Afterコロナを見据えた観光振興はもとより、これまでの30年間を総括し、これからの30年先の道後温泉のあるべき姿、なりたい姿を描き歴史的・文化的資源の「見える化」による「価値化」とまちづくり投資効果の最大化を図るため、今年度新たに「道後温泉2050ビジョン」を策定。 そして、2050年に向けて『日本最古の温泉地』というだけでなく、世界に開かれた「デジタル温泉都市」「温泉に入らなくても持続可能な温泉地」を目指し、新しい価値の提供をし続けて行く。3 回遊性の向上4 道後ブランドの向上と集客力強化■今後の取り組み2-3. 活動の成果(つづき)資料2道後温泉誇れるまちづくり推進協議会 31年の歩み

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